後半は、3つの学校の子どもたちによる活動発表がありました。
先進的に取り組んでいる学校の発表内容と感じた事を簡単に紹介します。
①山形県立置賜農業高等学校「THE圃場整備~僕らが創る未来の環境~」
自分たちの住む地域の農業と地域環境を守るために、地域の人々とともに、圃場整備事業に取り組んでいる。現地調査を行い、準絶滅危惧種の生物を発見したこともあり、ビオトープを設置する運びとなる。本格的な施工は、来年度に持ち越しになったが、それまでの過程は、施工に向けて、何度も図案を制作し、専門家と話し合い、検討するといった、授業だけでは学べない、これから社会に出ると必ず必要となってくるコミュニケーション能力を養う良い経験となった、と発表されていました。
②栃木県小川市立寒川小学校「未来に向けてのぼくたちわたしたちの取組~自然との共生~」
勢和小学校でも、socs活動で、田んぼ、大豆、さつまいもを育てて学ぶプロジェクト「おまめさんかなあ」を行っていることもあり、先進的に「田んぼの学校」を取り組んでいる寒川小学校の発表はとても興味深かったです。(「田んぼの学校」とは、古くからの農業の営みの中で形作られてきた、水田や水路、ため池、里山などを、遊びと学びの場として活用する環境教育の総称です。)
4種の古代米の苗を育てる。(緑米・べにあそび・紫米・ゆきあそび)そして、完全無農薬田んぼのため、マリーゴールドを植栽し、虫よけにしている。そして、田植え前には、豊作・感謝の心をこめて、活動を行う5年生が中心となって、全校に呼びかけるセレモニーを行うそうだ。田植えは、市長さんや保護者も交えて行う。毎年、田んぼアートにチャレンジしている。(今年で3年目)収穫の際も、セレモニーを行い全校児童で共有している。博物館の司書さんに協力してもらい、古代米炊飯や、しめ縄づくり、どんどん焼きなどの伝統行事も行っている。
その他、静岡大学の棚田研究部の発表もありました。
全国には、このような取組をされている学校が多くあり、どの学校も素晴らしい実践でした。しかし、勢和小学校が取り組んでいる、「おまめさんかなぁプロジェクト」も負けず劣らずの活動であると感じました。また、この会の会長でもある、中村 桂子さんがおっしゃっていた、本来、私たち人間は、「働く・学ぶ・遊ぶ」の区別がなくつながりあっていたが、時代とともに分断されてきている。まさに一体化となるには、このような「農」体験をすることである。学校とスタッフと地域の人々がうまく連携し、未来を担う子どもたちのために動くべきである。
今回は、socsスタッフと私たち教員が一緒に学べたので、これからの活動に向けて、勢和の子どもたちに、「働く・学ぶ・遊ぶ」を感じてもらえるように、さらに団結していきたいです。